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RACE2024.12.27

<12月25日~27日>西武園ナイター競輪 第33回デイリースポーツ賞 F1「シリーズ展望」※12.27更新

競輪解説者 田淵浩一さんによる「西武園競輪 S級決勝戦展望」


並び
317 24 65

関東ラインは準決勝同様、
地元の森田に同県宿口。
長野の菊池には東京の高橋が番手、
茨城の芦澤が3番手を回りライン3車。
近畿単騎の和歌山の石塚には
北日本単騎の秋田の内藤が付き
即席ラインを形成し
3対2対2の3分戦となった。

意外だったのは関東ラインの並び。
勝ち上がりが5車になったので
別線は考えられたが
高橋の位置が菊池の後ろとは驚いた。
関東ラインの並びの経緯は
まず機動力タイプの
菊池と森田が話をして
それぞれが自力勝負を選択。
動ける高橋と追い込みタイプの芦澤と
宿口で話合いの末、
高橋が地元戦で同県の間には入れないので
「森田の後ろは
宿口さんが回ってください」と伝え
埼京の3番手ではなく
単騎戦を考えていたようだが
準決勝同様でワンツーを決めた
菊池-芦澤のラインから
「番手を回っても良いぞ」と
芦澤が伝えたようで
最終的に高橋が菊池の番手を回る
イレギュラーな形の別線勝負となった。
即席ラインは内藤は初日特選で
菊池の後ろを回った流れから
埼京と菊池-芦澤に分かれるなら
菊池ラインの3番手も
視野に入っていたようだが
イレギュラーな並びを確認すると
石塚の番手を選択した。
状態が良さそうなのは高橋と森田。
高橋は予選は森田の捲りを差し切り快勝、
準決勝戦は根田の先行を加藤が叩けずも
外並走から捲り快勝は「強い」の一言。
本人も「練習の感じは良くなかったが
レースは良いですね」と感触は良さそう。
森田は予選は脚を使って
3番手を取って捲るも
高橋に差され2着だったが
準決勝戦打鐘前から先行態勢に入り
落ち着いて最終ホームから仕掛け
逃げ切り勝ちは見事だった。本人も
「S級に上がり成長している感ある」と言い
バンクも「軽く感じた」とA級戦完全V時に
「重い」と言ってたのが嘘のようだ。
菊池は準決勝戦逃げ切り勝ちは強かったが
本人曰く「ゴール前少したれた。
セッティングの方向性は合ってるので
もう少し煮詰めて修正したい」と
更なる上積みも可能。
宿口はS級戦地元初優出
「前と後ろのおかげで決勝戦乗れた。
状態は良いと思うが
森田との力の差は感じた」とのこと。
内藤は勝てば自身が持つ
S級最年長優勝記録を更新するが
「無理でしょう」と
笑顔でコメントしていた。
先行は菊池か森田のどちらか。
石塚は中団キープして
先行争いを捲るのが理想。
1番車の高橋がライン参加した菊池が
前受けから突っ張り先行。
中団は石塚。
森田は一度押さえて突っ張られたら
引いてカマシか捲りの展開か。
菊池の先行に乗る番手高橋がV最短。
注目ルーキー森田の初Vも十分。
先行争いあれば石塚の一発も魅力あり。

競輪解説者 田淵浩一さんによる「西武園競輪 レース展望【S級戦】」


傑出者不在で混戦模様の中、
地元の森田一郎(埼玉125期)を抜擢したい。
前回玉野G3では落車欠場明けの影響か
本来の力を出し切れていなかったが
ポテンシャルの高さは折り紙付き。
前受けから引いてカマシ・捲りが主戦法も
玉野最終日には突っ張り先行も見せており
戦法の幅も広がってきた。
西武園は今年10月完全Vを飾り
S級特進を決めたメモリアルバンクで
イメージは良いだろう。
前回の当所は特進かかり
勝ちに拘るレース内容だったが
今節はスケールの大きいレース内容で
押し切りVに期待したい。
同県の岡光良(埼玉94期)、
宿口潤平(埼玉91期)、
埼京ラインで高橋築(東京109期)、
河村雅章(東京92期)、
大矢崇弘(東京107期)と
援軍揃う埼京ラインが本線。

菊池岳仁(長野117期)が追加参戦。
先行力は関東屈指の存在。西武園は
昨年G1オールスター1.5.6.3.8着、
一昨年オールスター1.6.3.7.5着と
一次予選で勝ち星を挙げており
バンク特性生かせば 逃げ切りも十分。
11月松阪でG3初Vを飾った
芦澤辰弘(茨城95期)は負傷欠場後
まだ本調子とは言えないまでも
安定マーカー河野通孝(茨城88期)の
茨城勢との関東連係で
埼京ラインとの別線もありそう。

別線自力タイプの
V候補は根田空史(千葉94期)。
今年V1はやや物足りない感あるが
全てのG1戦に出場しており
確定板入りを果たしている。
F1戦は常にV争いの中心となり
組み立ては淡白だがダッシュ力は強烈で
主導権握れば押し切りは十分。西武園は
昨年G1オールスター1.7.8.2.9着以来
久しぶりの参戦となるがG1戦1次予選1着通過、
F1戦準V1回、A級戦完全V2回と相性は悪くない。
鈴木裕(千葉92期)が追加参戦となり
千葉コンビも強力。
根田の仕掛け次第では
鈴木裕の差し切りも十分。

北日本ラインは競走得点トップで
差し脚切れる竹内智彦(宮城84期)を軸に
安定感あるベテランマーカー内藤宣彦(秋田67期)、
自力自在になんでもできる星野洋輝(福島115期)が
中心になるが、予選から照井拓成(岩手115期)、
伊東翔貴(福島100期)、佐々木堅次(福島113期)の
機動力タイプが勝ち上がりを決めると戦力が整う。

中部近畿ラインは
近畿地区に機動力タイプが揃った。
実績上位の山本伸一(奈良101期)、
今期V2の池野健太(兵庫109期)、
パワーある石塚輪太郎(和歌山105期)、
2班格付けながら11月G1小倉競輪祭で
インパクトのある走りを見せた
中釜章成(大阪113期)と強力な布陣。
特に中釜はG1小倉競輪祭1次予選で
パリ五輪代表の太田海也を捲り快勝、
準決勝戦4着で優出まで
あと一歩の活躍は衝撃的だった。
近況はグレード戦でも
結果を残しており状態は抜群。
西武園は昨年4月3日間先行して3.2.3着。
現状の充実度なら好勝負は必至。

坂口晃輔(三重95期)、
西村光太(三重96期)の中部マーク陣も
近畿勢との連係になりそうで
中部近畿ラインも強力。

傑出者不在でどこのラインからも狙えるが
思い切って地元の森田一郎を抜擢したい。
高橋築大矢崇弘が森田マークなら逆転も可能。
格上位の根田空史鈴木裕の千葉コンビも互角。
先行力ある菊池岳仁と好調中釜章成も差がない。
竹内智彦山本伸一坂口晃輔
目標次第ではV争いに加わってくる。